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PIGLIN KING

第三巻 エンダードラゴン戦争


第一章 共闘

崩れゆく黒曜石の宮殿。

天井が裂け、紫色の光が瓦礫の隙間から漏れていた。

巨大な翼が、その光を遮るように広がっていた。

紫色の瞳。

世界を揺るがす咆哮。

ゴォォォォォ!!

「エンダードラゴン……。」

スターリンですら、後ずさった。あの男が後ずさる。それだけで、この敵がどれほどの存在か、誰の目にも分かった。

崩れた瓦礫の中。

エンド帝国皇帝。

ENDER EMPEROR。

彼は、ゆっくりと立ち上がった。先ほどまで黄金王と剣を交えていたその手が、今は静かに剣を下ろしていた。

「黄金王。」

「どうやら。」

「我々は同じ敵を前にしているらしい。」

オーレックスは微笑んだ。疲労の中に、それでも確かな光があった。

「最初からそう言ってる。」

「一緒に戦おう。」

数千年の間、争い続けてきた二つの国。

PIGLIN KINGDOM。

そしてエンド帝国。

互いを敵と呼び、互いを恐れ、互いの存在を伝説と昔話の中に押し込めてきた、二つの歴史。

その歴史上、初めて。

両国は、同盟を結ぶことになった。

竜の咆哮が、それを祝うように――いや、それを嘲笑うように、もう一度響いた。


第二章 竜王

ゴォォォォ!!

エンダードラゴンは、再び咆哮した。

その瞬間。

宮殿の至るところで、エンダーマンたちの目が、一斉に紫色に染まった。

「まずい!」

ピックバーグは叫んだ。眼鏡の奥の目が、見開かれていた。

「精神支配だ!」

「ドラゴンが、エンドの民を操ってる!」

理性を失った民が、剣を抜き、互いを、そして味方であるはずの兵士たちを、襲い始めた。

「つまり!」

スターリンが斧を構える。その目には、いつもの豪快さの奥に、わずかな苦さがあった。

「全部助けなきゃならねぇってことか!」

「そういうこと!」

それは、これから始まる戦いが、ただの戦争ではないことを意味していた。

敵を倒すだけでは、終わらない。

敵にされた者たちを、救わなければならない。


第三章 世界連合軍

王国歴十三年。

一年の時が流れた。

その一年は、軍を集めるための一年であり、傷を癒すための一年であり、そして、覚悟を固めるための一年だった。

PIGLIN KINGDOM。

エンド帝国。

百部族同盟。

かつて互いに無関心だった、あるいは敵だった勢力が、玄武岩デルタの大平原に、一つの旗の下に集結した。

王立陸軍。

王立海軍。

親衛軍。

エンド帝国第一軍団。

皇帝親衛軍。

それぞれの旗が、風もないはずの戦場で、不思議とはためいているように見えた。

総兵力。

二百万。

史上最大の軍勢が、地平線を埋め尽くしていた。

「行くぞ!」

スターリンの声が、戦場全土に響いた。

「おおおお!!」

歓声が、地響きのように広がった。

そして。

最前列。

黄金王。

KING PIGLIN I。

エンド帝国皇帝。

ENDER EMPEROR。

数千年敵対していた二人の王が、初めて並び立った。

その光景を、誰もが息を呑んで見つめていた。

「世界を守る。」

「必ず。」

短い言葉だった。だが、その奥には、数千年分の歴史と、数百万の命の重さが、確かに込められていた。

こうして。

エンダードラゴン戦争が、始まった。


第四章 最初の敗北

しかし。

現実は、甘くなかった。

ドォォォォン!!

ブレス一撃。

それだけで、目の前の山が、跡形もなく消し飛んだ。

「うそだろ……。」

スターリンの顔から、血の気が引いた。歴戦の戦士である彼が、初めて見せた、本物の恐怖だった。

一撃。

ただの一撃で、一万人の兵が消えた。

さらに。

ドラゴンの咆哮。

ゴォォォ!!

その音だけで、兵士たちの心は折れた。

「ぐわぁ!」

次々と倒れていく。剣を抜くことすら、できなかった。

「近付くことすらできない!」

元帥が、絶叫した。

数で押すという、これまでのどんな戦いでも有効だった戦術が、ここでは、何の意味も持たなかった。

初戦。

世界連合軍は、敗北した。

撤退の角笛が、戦場に鳴り響いた。

そして。

誰も、まだ知らなかった。

これが、絶望の始まりに過ぎないことを。

Long live the Piglin King!